演奏記録徒然 1998年(大学2年生〜)
〜一時は輝けるも、華々しく散っていった戦友たちへの鎮魂歌〜


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オーケストラといういわゆるひとつの集団活動の中で、遣り甲斐や居場所を見つけるためにもがいている内に、あっという間に1年が過ぎ、何だかんだ構って貰えた学年から、構ってあげる学年へ。しんど。


1998年5月22日(金)
新宿文化センター大ホール
法政大学交響楽団
第99回定期演奏会
指揮:福井功


シベリウス : 交響詩「フィンランディア」作品26/1st
フィンランドの独立を詠った交響詩。ちゃんと演奏できれば世界で一番かっこいい曲になりえる素質はある。当時の常任福井ちゃん(通称F氏)が初つっちーでほとんど全曲通して歌い切ったときには、意外とこの人の求める音楽は侮れないと思った覚えがある。
それに応えられない位へぼへぼな音を出してましたねぇ当時の金管は。あ、弦もか。

シューベルト : 交響曲第8番「未完成」作品759/2nd
この曲を中だるみもせず美しく弾き切った桶を俺は未だかつて見たことがない。それはプロ桶でもそう。譜面ヅラらくちんでイイねぇ、なんて思っていたけれど。どうも即物的な演奏になるんだよな、どうやっても。
当時俺のことを目にかけてくれていた元コンマスがOJTで首席の見本を見せてくれた思い出の曲でもある。

ドヴォルザーク : 交響曲第8番 作品88/2nd
本番中に弓落っことしちゃった曲。全然弾けなかった。今となっては簡単な曲の部類に入るドボ8のセカンドパートも、初の交響曲ということもありその長さ、ややこしさにやられっぱなしであった。おまけにおいしい旋律もなく「あぁセカンドってこんななんだー」などと。
甘ちゃんでヘタレだったのが今になって見るとよーくわかる。


総評:
大学2年生になったこともあり、初の全乗りへ。
ドレミすら弾けなかった人間が1年間を経て全乗りへ。多少の無理には目を瞑って、今後の伸びに期待。みたいなスポーツ新聞の論評調で筆を置く事にしよう。



1998年夏休み
法政大学交響楽団夏合宿

モーツァルト作曲 クラリネット5重奏第1楽章 K581/2nd
初の室内楽。モーツアルトのクラ5は全曲通して美しい曲と俺は思う。
もう一度あのメンバーでやってみたいがどんなもんかね、みなさん。


1998年11月15日(日)
東京芸術劇場大ホール
法政大学交響楽団
「第100回記念演奏会」
指揮:福井功


ワーグナー : 「ニュルンベルグのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲/2nd top
初トップ。いやー「ワーグナーってすげぇ」と素直にスコア見て感心した覚えがある。バロック/古典に慣れ親しんだヴァイオリン弾きにはこのネットリ絡みつくような旋律群は非常に新鮮だった。縦の旋律をカッチリ合わせるというよりは、横の流れやニュアンスを他の楽器群と合わせなければならないタイプの曲だと俺は思う。今となってはよっぽどこの曲はワーグナーの中ではストレートな部類だと思うけど・・・。

ベートーベン : 交響曲第9番 作品125(合唱付)/1st
何となく「100回だから」或いは「区切りの良いときに大曲を一発」という、いたって日本人的発想から選ばれたであろうベト9。いやー「大学生の怖いもの知らず」というか「若さゆえの過ち」というか、ほんと勢いだよね。

そして金管の乗り番を満たすべく、現曲版からマーラー編曲版へ。
曲自体が変更されているというよりは、そのオーケストレーションに手が加えられ本来あるはずのないチューバさんまで参戦して、それはそれは大編成の曲へと変更されている。管楽器が倍管になって(ホルンなんて7本)。もちろん弦楽器群にも手が加えられ、ヴァイオリンも豪快な削除、メロディの変更、さらにはpppからfffまでの強弱の強化まで。さてさてその変化をお届けすることが出来たのかどうか。

勢いで選曲され、
そしてみんなホントに勢いで弾き切っちゃった、そんな感じの演奏会。だいたい本番まで曲を通したことがなかったというか、曲が通ったこと無かったし。
誰も「100回は名演だった」とは言わない(聞いたことがない)けれど、団員全員があの異常な集中力を持って望んだ演奏会はこれ以降存在していないと思う。

ヴァイオリン弾きとしては、第3楽章が垂涎モノであろう事は容易に想像できる。旋律担当のヴァイオリンとて通常1つの楽章すべてを支配できるほど弾いている訳ではないのだが、この第9の3楽章は違う。全編ヴァイオリン尽くしなのである。それもベートーベンが生み出した傑作中の傑作。頼むからもう一度やらせてくれ。


総評:
100回記念、という合言葉に誰しもが魅せられたか、騙されたのか、または飲み込まれたのか、良くも悪くも団員個々人の思いを玉砕混交に纏めて、一つの目標に向かって全員でぶつかると言う素晴らしい経験をした演奏会であった。


追い室
モーツァルト : 「ホルン協奏曲第1番」 K.412/1st
単純明快かつ美しい旋律。これぞ僕の求める理想の一つであることは間違いない。ホントにホルンコンチェルトか?と思わせるほど桶に見せ場があり、もはやホルンなんてどーでもいーや的に弾きまくれる。イイ曲ですなぁ。

ドヴォルザーク : 「弦楽セレナーデ」 作品22・第1楽章/2nd
「弦セレ」として有名なのはチャイコフスキーとこのドヴォルザーク。
仰々しく、華々しくそして美しいのがチャイコフスキー。ドヴォルザークはひたすら内に内に向かう美しさがある。内に秘めたる灯火みたいな。

パッヘルベル : 「カノン」ニ長調/1st
ハイドンの交響曲「告別」逆バージョン。一人ずつ舞台に登場するという試みで大成功。



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