| 指名手配ヴァイオリン奏者 A to G |
ACCARDO, Salvatore / サルヴァトーレ・アッカルド ![]() 通常クラシックのCDジャケットにはソリストの写真が無いものが結構ある(安いやつ)。AccardoのCDは何故か大概お買得CDが多く、俺も実は写真を見たことが無かったのである。故にネットで探し出した写真が上記のもので、出ている音と顔の落差にエラク驚いたものである。 ヴァイオリン界きってのパガニーニ弾きと称されるが、結構思いっきり重音ハズしたりして目も当てられない場合も多く、しかし何事も無かったかのように朗々と歌いまくるなど、典型的アズーリが似合うおっさんである。 どちらかというと直線系の曲(バロック系とか)に向いている、楽器そのものを豊かに鳴らした音色が特徴。気分が高揚してくれば若干音程高めに取ったり、難易度が上がってきて本能で弾きだすとボーイングが弓先と弓元で安定しなかったり、音色が硬く叫ぶようになったりと、非常にナチュラルというか人間的というか、オールドタイプに属するヴァイオリニストといえる。イタリアというお国柄なのか、歌心ある演奏が特長で、例えばシベリウスのコンチェルト第2楽章など冷たくクールにでもココロは熱く!といった一般的な演奏とは違って、雪降る夜に暖炉にでもあたりながら・・・といった温かみのある演奏で白眉の出来である。或いはド演歌になりがちなドヴォルザークのコンチェルトなども演歌のココロはおさえつつ、お洒落にカッコよく弾いている。中々の名盤ではないかな、と思うのであるよ。 AYO, Felix / フェリックス・アーヨ ![]() イ・ムジチ合奏団初代コンサートマスターがこのFelix Ayoである。 今なおもって燦然と輝くヴィヴァルディ四季の名演奏を残し、他にもバッハやタルティーニなどで素晴らしいディスクを残している。いたって素直な演奏、豊かな音色、クセの無い豊かな歌いまわし、どれをとっても完璧というほか無い。とてつもなく楽器を鳴らしつつ敢えて自分の音に酔わない理知的な演奏に強烈に惹かれる。師だ。 BELL, Joshua / ジョシュア・ベル ![]() 指名手配中。 DUMAY, Augustin / オーギュスタン・デュメイ ![]() このサイトを作成途中、写真の下には「指名手配中!!この顔みたら110番!!」と記していた。ベタではあるが本当に指名手配されているような・・・(好きな人ほんっとにゴメン)。 フランコ・ベルギー派の伝統を受け継ぐ、とされる。ここでフランコ・ベルギー派って何?と思いサイトを色々検索してみたものの意外や意外、誰も解説出来ていない。せいぜいヴィオッティからクロイツェル、ローデ辺りを通じてクライスラーやイザイ、グリュミュオーへと通じる流派、ってこと。 じゃあ「他とどう違うのよ」ちゅうと「???」なんである。 純粋で繊細、透明度の高い奏法と言われているが、奏法と云うよりはストラディヴァリウスの響きであったり、フランス語を母国語とする人々の歌い回しというか、雰囲気なんかを総称してフランコ・ベルギー派というのではないか。 たとえばウィーン奏法みたいなものと同じかな。要は日本の演歌におけるコブシとヴィブラートが他のそれと違うという。 いずれにせよグリュミュオーが師匠と云うことであるが、どっしりとした安定感のある極上の中庸とは違う、繊細で曲線的なイメージを持つ。曲線的、と言っても丸みがある、というのではなくまさに”曲線”的。ピアノのピリスとのソナタや室内楽を多く録音しており評価は高いと言われる。個人的にはシューマンのピアノ五重奏が一番のお気に入りである。優雅な匂いが感じられるからね。 ELMAN, Mischa / ミッシャ・エルマン ![]() イツァーク・パールマンとギドン・クレーメルしか知らなかった昔、「エッチなパールマンと直球勝負のクレーメル」という認識を(弾き方の)持っていたわけだが、パールマンがエッチならエルマンは何なんだ?という程甘く、柔らかく、豊かで情熱的。モノラルラジオから流れてくる珠玉の小品によく似合う音色。それを当時の人々は「エルマントーン」としてもてはやし、一世を風靡した。 レオポルド・アウアー(チャイコンを演奏不可能としてぶった切った巨匠)の門下生。他にジンバリスト・ハイフェッツ・ミルシティンらがいる。ちなみにアウアーはヨーゼフ・ヨアヒム(ブラームスがVnコンチェルトを献呈した親友)の門下生、と脈々と続く名ヴァイオリニストの系列に属する。さらにトリヴィア的だが、ヨアヒムはフェルナンド・ダヴィッドの弟子。ダヴィッドはメンデルスゾーンの親友でありメンコンを献呈された人物であるよ。 へぇへぇへぇ・・・とまではいかないか。 いずれにせよ献呈された大ヴァイオリニスト達直伝の奏法、エッセンスを、気づかないまでもエルマンの演奏の中に感じているはずで、古き良き伝統を偲び、そして思いを馳せるのも悪くない。 FERRAS, Christian / クリスチャン・フェラス ![]() FRANCESCATTI, Zino / ジーノ・フランチェスカッティ ![]() 指名手配中。 FUJIWARA, Hamao / 藤原浜雄 ![]() 読響のソロコンサートマスター。俺の師匠が若いころ、子供時代の彼と遊んでいたらしく、身長が昔から小さいがために「あぶちゃん」と呼ばれていた(らしい)。 たぶん日本のプロ桶のコンサートマスターとしては日本一巧いと思う。おそらく読響が呼べる程度のソリストであれば、彼のほうが圧倒的に巧いし、音楽がしっかりしている事は間違いない。かつて読響の定演でハチャトゥリアンのコンチェルトをソリストがドタキャンした際に彼が代弾きしたのだが、そりゃあもうソリストも真っ青の完璧な演奏を繰り広げたらしい(俺のかーちゃん曰く)。 俺も読響でバイトをしていた頃、よく桶の中でソロを弾いている場面に出くわしたが、余裕綽々と弾いていくさまにこれぞソロコンサートマスター、と思ったものである。音色は若干硬めでキラキラした音。とにかく圧倒的に巧い。ゲジゲジまゆ毛が特徴。 GAEDE, Daniel / ダニエル・ゲーデ ![]() 1998年7月に東京オペラシティで行われたPMF「ウィーンフィルの仲間たち」で、猛烈に俺の中で衝撃的なデビューを果たす。彼は1994年から2001年までウィーンフィルの第4コンサートマスターを務めていて、いわゆるウィーンスタイルの教育を受けていないヴァイオリニストとしての初めてのコンマス就任だったらしく少し話題になったらしい。確かに、故ゲルハルト・ヘッツェルやライナー・キュッヒル(現・第1コンサートマスター)などはオケの音色からは想像もできないほど結構ガリガリ硬めに弾くのだが、彼のスタイルはそういった岩石系とは正反対で、オペラシティの一番奥の席まで届く伸びのある太く柔らかい音色で、猛烈に安定して巧い、という印象であった。 「子供と一緒にいる時間が減るから」という理由でウィーンフィルを退団。 GITLIS, Ivry / イヴリー・ギトリス ![]() 指名手配中 GOTO, Midori / 五嶋みどり ![]() 指名手配中。 GRUMIAUX, Arthur / アルテュール・グリュミオー ![]() 名ヴァイオリニスト数多くいる中で最もお気に入りのヴァイオリニストの一人。「ヴァイオリニスト」という響き、語感やイメージをそのまま体現したかのような、高貴で豊かな音色と、歌心溢れるあたたかい演奏で優雅なことこの上ない。 またバロックからフランス印象派の作品まで、また室内楽にも力を入れるなどマルチプレーヤーっぷりを発揮。どの作品も一番最初に聴く入門編として間違いない、すべての分野において質の高い作品を残したヴァイオリニストといえる。 個人的にはロイヤルコンセルトヘボウ管(ベイヌム&ハイティンク)と残したブラームス/ブルッフ1番のコンチェルトが、最高の出来だと思う。 それにしても何でこんなに優雅なんだろう。そして何故彼亡き後の現代のヴィルトォーゾ達は優雅という言葉からかけ離れたところで勝負をするのだろうか。 |